IPランドスケープの実践 ~ 最初のテーマを振り返って ~

私が、IPランドスケープに初めて取りんだとき、色んな苦労や学びがありました。
どのように取り掛かり、アウトプットを提出した結果どうだったなど、私の事例を紹介します。
IPランドスケープを取り組もうとされている方の、参考になればと思います。

スポンサーリンク

会社の号令により、IPランドスケープに取り組むことが決まる

私が、知財部に異動してきてまもなく、配属された課でIPランドスケープに取り組むことが決まりました。
それまで商品開発をしていましたので、何のことかさっぱりわかりません。
とりあえず周りに聞いて、IPランドスケープ関係の資料や書籍を教えてもらい、読みあさりました。
当時三井物産におられた山内さん、金沢工業大学の杉光さん、特許庁の人材スキルなどなどです。

その中で、IPランドスケープとは、従来の知財活動とは内容も考え方も違うものだ、とありました。
しかし私は、従来の知財活動を経験しておらず、とりあえず、そういうものなのだなと感じながら読んでいきました。

IPランドスケープを扱うコンサルを招き、OJTを受ける

社外のコンサルの方に来ていただき、実際に分析テーマを決めてOJTを受けました。
週1回程度の頻度で来てもらい、その間で行った調査分析の内容を見てもらって、コメントをもらうという形式です。

その中で、仮説設定、ストーリ、論点設計、アウトプットイメージ、示唆の提供などなど、情報分析に必要な思考方法やスキルを知ることになりました。
それまでの私の業務では全く触れなかった概念であり、戸惑いは大きかったです。

各種特許分析ツールの操作方法を学ぶ

それまで使っていたのは、いわゆる特許調査ツールでした。
IPランドスケープをするために、分析用の新しいツールを導入しました。
引用・被引用、クラスター、??マップなど、いろんなマップの作り方を学びました。

しかし、マップを作れば分析ができるという訳ではありません。
仮説を設定して、それを検証するにはどんなマップが必要かを考えたうえで、マップを作る必要があります。
仮説検証とはこのことかと、少しずつ分かるようになりました。

分析結果を事業部門に説明するも、反応はイマイチ

なんとかして分析結果をまとめました。
ある事業部門に対しての新しい事業案を提案するというものでした。

しかし、相手の反応はイマイチでした。
「事業提案の内容は、事業部の方向性とあっておらず、受け入れられない。こういう分析をするのであれば、はじめから一緒に議論をしたかった」
とのことでした。

提案内容としてはイマイチでも、こういった活動には可能性を感じてもらえたようでした。
おっしゃる通り、分析を始める段階から事業部と打ち合わせをし、何をゴールにするかを整合してから始めるべきです。
ただし、実態として、IPランドスケープそのものが初めてであり、こういうことがしたいから一緒にしましょうと、誘うこと自体ができない状況でした。
「鶏が先か、卵が先か」の問題です。

とはいえ、これを機会にIPランドスケープとはなにものかについて、イメージを持ってもらうことができました。
これ以降の活動は、相手部門に最初にそのイメージを伝えて、一緒に検討しながら進められるようになって行きました。
その過程はまた別途紹介します。

コメント

タイトルとURLをコピーしました