情報分析/知的生産のための、様々なノウハウが溢れる本

イシューからはじめよ(英治出版)を読みました。
情報分析に限らず、ビジネスマンが質の高いアウトプットをするための仕事の仕方うや思考法が、多く示されています。
私の業務に参考になったところをピックアップして紹介します。

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事前の情報収集は、集め過ぎない・知り過ぎない

①集め過ぎ
情報収集にかけた努力や手間に対し、その結果得られる情報量は、あるところで飽和する。

②知り過ぎ
得た情報量があるところを過ぎると、自分から生み出される知恵が急速に減り、自分ならではの視点がゼロに近づく。むしろ、あるレベルを超すと負に働く。

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特に、「知り過ぎ」は恐ろしいですね。
情報分析を請け負うということは、相手に対して新しい示唆を提供することです。
そのためには、自分なりの知恵、つまり分析の切り口が重要になります。
ところが、その知恵がなくなるということは、相手がすでに知っていることしか出せなくなります。

分析の本質は、縦横の軸を決めること

①分析とは何か?・・・分析とは比較、すなわち比べること
つまり分析では、「適切な比較」の軸がカギとなる。
どのような軸で何と何を比較すると、その論点に対して答えが出るのかを考える。
これを考えることが分析の本質。

②原因と結果から軸を考える
比較する条件が原因側で、それを評価する軸が結果側となる。
軸を考えるということは、原因側で何を比べるのか、結果側で何を比べるのかを意味する。

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例えば、AによってBになる、という仮説があれば、原因側をAと同じジャンルのもの、結果側をBと同じジャンルのものを並べます。
すると、仮説が正しければ、Aに対応する箇所のみBの値が大きい、ということになります。

回転数とスピードにより、価値あるアウトプットとなる

どんなイシューも、答えを出してはじめてそれに関する仕事が終わった、と言える。
大切なのは、停滞しないこと。

1回ごとの完成度よりも、取り組む回数を大切にする。何度も取り組むことで、レベルを上げる。
90%以上の完成度を求めらることは、ビジネスの世界ではまずない。
受け手にとって十分なレベルを理解して、やり過ぎないこと。

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進める中で、ついつい細かいところにとらわれてしまって、時間が過ぎていくことがあります。
そして、その結果を出しても、もっと大きなところでやり直しが発生することがあります。
それに対して、60%くらいのレベルで出すことで、フィードバックをもらい、さらに完成度を高められると、理解しました。

(感想)何度も読んで、すべての要素を消化したい

本書籍を購入した経緯は、著者の安宅和人さんと落合陽一さんとの対談の中で、落合さんがこの本をボロボロになるまで読んだ、と言っていたことです。
仕事の基本的な考え方のところで得るものがあるのでは、と期待して購入しました。

実際、一度読んだだけでは消化しきれないほど、有益なことがふんだんに書かれています。
何回でも読み直す必要があると思います。
すべての知的労働者にとって、得られることが多い本だと思います。

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