知財権/知財情報という武器をどう使い、競合企業に打ち勝つか

知財スペシャリストが伝授する交渉術 喧嘩の作法(ウェッジ)』を読みました。
ホンダで知財部長を務めた著者が、知財権/知財情報を経営にどのように生かすかを示した本です。私の知財情報の分析業務にも参考になりました。

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知財情報を経営に役立てようとするならもう一工夫いる

競争相手との特許件数の比較は、競争状況を的確に表している。
しかし、将来自社がどの方向に行くべきかについては、世界の技術の流れ、各国の規制など政策の情報も参考にすべき。
それ以降、自社の理想の技術、各国の市場動向や政策、知財情報を過去データだけでなく、ライバルは将来どのように展開するか予測も含めて分析し、これらの情報をリンクさせて戦略を提案するようにした。

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特許情報を用いて、現在の状況を示すことは簡単なんですよね。
しかし、経営層が知りたいのは、今後どうするべきかを考えるのに必要な情報です。
そのためには、特許だけではなく、技術、市場、政策など様々な情報と組み合わせなければならない。
よく、特許マップだけ相手に示して、「だから何?どうすればよいの?」と聞かれる理由がわかります。

世界の動きや情報に感度の高い若者は、情報分析に向いている

人間の行う判断は間違いがつきもの。
それでも、様々な情報の意味を見出しながら、組み合わせることでより確実さが増す。
組み合わせ方はセンスと経験による。
自分でやってみなければセンスも経験も育たないが、世界の動きや情報に感度の高い若者は、こういう仕事に向いているので、できるだけチャンスを与えること。

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情報分析をしていると、たまに、「これって、こういうことでは!」と、自分が新しい発見をしたような高揚感を得ることがあります。
そんなアハ体験みたいなことがあると、もっと情報に敏感になって、よりよい分析ができるようになると思います。
そういう仕事にじっくりと向き合える時間を確保してあげることが、必要と思います。

情報を適切に把握しないで作る戦略は、企業活動にマイナスになる

社内における技術、知財、営業の三位一体の情報の組み合わせも重要だし、社外の競合の行動原理の情報も重要である。
これらの情報を組み合わせることにより、知財戦略と、現場の戦術が明確になる。
成功体験の情報だけで戦おうとするのは、無謀である。

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情報分析という仕事が、企業活動において不可欠なものであり、事業の成功を左右するものであると、わかります。
特許だけに詳しくてもダメで、技術、営業、競合の情報を得て、理解して、それらを組み合わせる能力が必要です。勉強することは山ほどあるなと。

(まとめ)知財という強力な武器で経営に貢献したい

題名に交渉術、喧嘩とありますが、決して知財権の裁判だけの本ではありません。
知財権は、産業活動で直接相手に攻撃できる唯一の武器であり、それを用いてどう競合に勝つかを、解説した本です。

IPランドスケープという言葉がここ数年使われていますが、本田はずっと前から、知財情報を経営に活かす活動をしてきたことがわかります。
私も、知財部が当然のように経営にかかわり、知財部がいたからこの事業が成立した、という実績を残したいと思います。

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