”分析”は習得できるもの。センスやひらめきは必要なかった。

「意思決定のための分析の技術」(ダイアモンド社)について、以前のブログに追加して、有用だと思う箇所を記載します。
分析というと、難しくて取っつきにくいイメージがありますが、実は基本要素は単純であり、方法論があることが分かります。

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大きさを考える、分けて考える、比較して考える、時系列を考える

「要約」
分析には確かな切り口と方法論がある。
分析の基本は、大きさを考える、分けて考える、比較して考える、時系列を考えるの4つ。
そのバリュエーションとして、ばらつきを考える、プロセスを考える、ツリーで考える、という工夫がある。
これらを単独で用いるのではなく、組み合わせ、併用して、複雑な事象を解明することが要求される。

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「感想」
こうして見ると、基本として言われているのは案外単純ですね。
小学生でも理解できるグラフだと思います。
大事なのは、それらをどう組み合わせて、目の前の事象に適用するかでしょうね。
手法は単純なのに、それで複雑な事象を解明できるというのは、まるで魔法のようです。

経営の分析は、その情報を与えられたときマネジメントは何をすべきか

「要約」
自然科学の分析は、そこにどのような法則があるかを探ること。
経営の分析は、経営に資するためには、どの情報を得るべきか。
そして、その情報が与えられたときに、マネジメントとして何をすべきか、を追求すること。

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「感想」
分析をしていて、すごくきれいに法則性が見つかることがあります。
そして、その内容を相手に示したい気になります。
ですが、相手にしてみると、あまり興味がないんですよね。だから、何?となってしまいます。
それは分析担当者の自己満足だなと。
相手が欲すること、相手に対して価値になる、アウトプットを示す必要があります。

戦略とは最終的には「資源の配分」である

「要約」
大本営にできることは、筋書きを与えて、カギとなる地点に必要な戦力を派遣すること。
つまり資源の配分である。
派遣した以上、そのあとの運用や展開は現場の指揮官の判断・行動に依存するほかないからだ。

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「感想」
戦略を考える立場というのは、資源の配分しかできないし、また、それこそが最重要なのだと、気付かされました。
確かに、資源がもし潤沢にあるのなら、戦略なんて必要ありませんね。
知財戦略を考えたり、IPランドスケープによって経営戦略に貢献したりと言っていますが、要は資源の配分なのだと考えると、すべてがすっきり理解できます。

(まとめ)経営のための分析が学べる本

本書を読んで、「分析」と「経営」とが結びつきました。
経営判断は、その事業にとって最も重大なものであり、ミスはあり得ません。
その判断を確かなものにするために、色んな情報を集めて、色んな観点で分析します。

分析の基本要素は単純であるがゆえに、多種の難解な事象に適用でき、その結果、経営判断に資する結果が導けるのだと、思います。

本書は98年の出版ですが、このVUCAの世界において、ますますこの分析の技術は大事になると思いました。

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