経営資源を活用して新しい事業を起こせるチャンスを、企業人は持っている

「はじめての社内起業 「考え方・動き方・通し方」実践ノウハウ」(ユーキャン)を読みました。
新規事業担当者が、何から手を付けてよいのか迷わないために、検討手順や考え方を型としてまとめています。担当者が孤独にならないよう、伴走してくれる本です。

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事実となる情報を集めたら、大まかな仮説を立てる

「要約」
事実の情報を集めたら、それらを整理し、自分なりの仮説を考える。
この段階での仮説は、あくまで大まかな仮説でよい。
過度に執着せず、柔軟に変更を加えながら進める。
自社の課題についての仮説、自社の強みについての仮説、自社の周辺にあるビジネスチャンスの仮説。
情報は、事実、仮説、意見があるが、事実のみを集める。

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「感想」
あくまで事実であること。人の意見ではなく、客観的な情報であること、ですね。
その情報がどこから出てきたのか、誰が言っていたのかを把握しなければいけません。
そして、ある程度集めた段階でストップして、そこから仮説を立てること。
決して、興味があるからもっと調べる、まだまだ知らないことがあるから調べる、では時間がいくらあってもたりません。
知らないからこそ、筋の良い仮説が立てられるというメリットもあります。

事業アイデアは、不が解消された理想的世界をイメージする

「要約」
不に正面から向き合い、原因・背景を直視すること。
既存の常識や枠組みに縛られず、不のない状態をイメージすること。
最初は実現方式や採算などは考えない。
具体的施策は大きく視野を広げ、考えうることはすべて考える。
バリューチェーンのうち、自社が携わるのは一部だとしても、すべてのプロセスに目を配ることが不可欠。

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「感想」
今よく言われる、コトビジネスですね。
従来のモノづくりみたいに、一社で完結する時代ではない。
コトを実現するには、色んな企業が関係して協業する必要があります。
その中で、自社がいかに重要な要素を握ることができるか、が大事になると。
自社が最初に不のない世界をイメージできれば、そのビジネスで主導権を握れるのではと思います。

なにより、経営者より熱い情熱を持つこと

「要約」
事業企画の真の目的は、経営者に判断してもらい、事業化をすすめること。
経営者の心理や価値観を想像しつつ、相手を判断に導くコミュニケーションが大事。
事業が成功したときの魅力を語り、成功するための具体的アイデアを示し、事業化を判断する上でどこがポイントになるかを明瞭に提示する。

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「感想」
プレゼンの目的は相手を動かすことにあるので、まず、相手はどんな心理なのかを想像しなければいけないですね。それは、普段の発言などから想像するしかないと思います。

また、経営者の承諾を得るには、最後は情熱だと言いますね。
経営者は、プレゼンの中身よりも発表者の情熱を見ている、と。

(まとめ)新規事業担当者の取り組みに、伴走してもらえる本

勤めている会社の仕組みとして、技術者自身が新規事業を生み出すための技術開発をするようにと、よく言われています。
私は知財担当として技術者と関わるのですが、技術者の考えていることを知るために、事業を生み出すとはどういうものかを、勉強しようと思いました。
そこで、本書を読むことにしました。

本書を読み、新規事業を考える上で、ある程度の型は存在しているのだと思いました。
例えば、自社を知ること、世の中の流れを踏まえること、顧客の不を解消すること、など。
ただし、その中身は、実際の検討対象ごとに異なるため、そのときどきで合わせながら進めるしかないと思います。

いずれにしても、試行錯誤から逃れられないのですが、新規事業検討の行動を起こすためのよりどころとして参考にできる本だと思います。

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