「まんがでわかる オーナー社長のM&A」(すばる舎)を読みました。
酒屋を営む社長がどのように自分の会社を売却するのか、その過程や葛藤をストーリ形式で記しています。M&Aは、昔のイメージとは違い、誰もが幸せになる方法なのだと分かりました。
現在のM&Aの最大の理由は事業承継。身売りや乗っ取りではない。
「要約」
M&Aする会社は、財務が悪くなって譲るわけではない。むしろ黒字の会社が多い。
中小企業で後継者がいなくなるところで、事業承継する。
会社はそのまま存続し、リストラもない。社名もそのまま。
大きな資本力や取引先を持ったり、新しい発想の若い企業と組んで、その企業がさらに成長することもある。
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「感想」
そうなんですね。
てっきり、会社が潰れかかっているから、仕方なく身売りしているものだと思っていました。
中小企業でも、儲かっているところは儲かっていますかね。
社長が引退するけど後継者がいないとは、もったいない。
それが、M&Aで従業員がそのまま働けるのであれば、M&Aは良い方法ですね。
本当は全く売れない会社なんてない
「要約」
売れる会社
①3期以上、赤字ではない
②借入金が通常の営業で弁済できる
③真面目に営業。粉飾決算や不正会計がないこと
④企業価値を毀損する大きな簿外負債がないこと
⑤互いに成長する可能性がある
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「感想」
こうやって見ると、まぁ、まじめにやっている会社はたいてい該当するのかなと思います。
⑤の互いに成長する、というのは、相手企業とのシナジーですね。
シナジーが実現できる相手を探すことが、もっとも大事になると思います。
引き継いだ社員が前向きに働いてくれる環境を作る
「要約」
互いに尊敬の念と同じビジョンを持って、力を合わせて発展する。
社員が前向きに働ける環境を作ってこそ、初めて本当の相乗効果を得る。
M&Aの成功の秘訣は、高く売ることでも安く買うことでもない。
人の結婚と同じように、一緒になって幸せになってくれる相手と巡り合うこと。
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「感想」
結婚に例えるとは面白いですね。
社長からしてみると、自分の娘を嫁がせるようなものなのでしょう。
買い手側からすると、あまりビジネスとしてだけ考えて交渉しても、売る側の社長の心はつかめないのだと思います。
そこは人間として、譲り受ける会社を絶対に成長させるという、誠意が必要なのだと思いました。
(まとめ)M&Aは、決してビジネスライクではない
知財情報分析をしているなかでM&Aの候補企業を探すことができるということを知り、そもそもM&Aってなんだと思って、勉強のために読んでみました。
本書を読むまで、M&Aに対して弱肉強食のイメージを持っていましたが、それは古い時代とのこと。
上記の通り、お互いが幸せになるということが、現在のM&Aのようです。
自分が候補企業を探して、それがきっかけで社長同士が会談してM&Aが実現し双方とも幸せになる、ということができたら、自分自身がすごく幸せを感じられるだろうなと思いました。
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