ビジネスモデル2.0図鑑 (中経出版) を読みました。
現在、世の中に広まっているサービスが、どんな仕組みで儲かっているのかがよく分かります。
身近なサービスにも実はこんなからくりがあったのかと、驚くこともありました。
生き残るビジネスモデルには「逆説の構造」がある
「要約」
①起点から定説をとらえる:そのビジネスが一般的に提供するもの
②逆説を生み出す:定説に比べて非常識なもの
③起点と逆説を組み合わせる:仕組み化して成立させる
例:俺のフレンチ
①フレンチはゆったり食べる
②おいしいままで、立って食べることで安価に
③安価でも質を保つため、一流のシェフを雇い、原価率は6割。安くて美味しいが成り立つ仕組み
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「感想」
③の逆説を成立させる仕組みを考えるのが難しいですね。
俺のフレンチのすごいところは、一流のシェフの給料を業界水準よりちょっとだけ高くして、レストランから引き抜いた点とのこと。
それを考えるには、いかにその業界の構造を知っているかが大事だと思います。
ライザップの顧客は、理想の体を買っている
「要約」
・定説:運動できるスペースや器具を提供し、自己管理のもとで理想の体にする
・逆説:自己管理がなくても、理想の体が手に入る。
完全予約、完全個室なので、ストレスなくトレーニングに集中。
マンションの一室で店舗が作れる。
予約制なので、スタッフの稼働の無駄がない。
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「感想」
私も筋トレは頑張っていますが、なかなか続けられません。
多くの人がダイエットに失敗するのは、結局自分で管理できないからだと。
それを不要にするというのは、新しい価値です。
それを実現するのに、巧みな仕組み(トレーナー、サービス内容、店舗など)をうまく考えているなと思います。
データとITを利用した、素人による酒造り
「要約」
・定説:専門職人による、伝統的な寒造り
・逆説:従業員がITを活用して四季醸造
職人の勘と経験による工程を見える化し、数字とマニュアルに基づく作業へと分解。
通年生産が可能となり、トライ&エラーを経て、さらにデータを蓄積。
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「感想」
このビジネスモデルで実現した酒の銘柄は「獺祭」です。私もよく飲んでいます。
そこにこんな斬新な生産方法があったとは、知りませんでした。
確かに、米の研ぎ具合を変えたいろんな種類がありますし、きっとそれもITで工程を管理しているのだと思います。
(まとめ)良いサービスの裏には、巧みな仕組みが必要
本書を購入したきっかけは、業務で新規事業に関する知財戦略を考えることになったことです。
事業を理解しなけれならず、そのためには一般的なビジネスモデルを知ろうと思ったからです。
よく聞く商品サービスが、実はこんなビジネスだったのかと、驚くことが多かったです。
その商品サービス自体が素晴らしいのだけれど、それで儲けるには背景に巧みな仕組みが必要ということがよく分かりました。
業務で私自身がビジネスモデルを考えるわけではありませんが、実際に自社あるいは他社が、なぜそのような売り方をしているかを理解するのに、基本知識としてよい本だと思います。
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