デザイン、ビジネス、テクノロジーの融合から、ユーザの成長体験を想像する

アフターデジタル2 UXと自由(日経BP)を読みました。
現在、DXやUXが頻繁に使われていますが、それについて正しい認識が得られます。
すでに自分が使っているサービスも、こんな新しい概念で作られているのかと分かりました。

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物売りではなく、世界観を体現したジャーニーに顧客が乗り続ける

「要約」
これまでは、製品を販売することがゴール。
モノを企画、生産し、売っていく=従来のバリューチェーン。
これからは、製品はあくまで顧客との一つの接点。
他の接点である、アプリ、店舗、イベント、コールセンターなどと等しく扱う。
ビジネスモデルはすべての接点が1つのコンセプトでまとめられ、その世界観に顧客は乗り続け、企業は顧客に寄り添う。新しいバリュージャーニー型。

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「感想」
顧客が欲しいものは、そのモノではないんですよね。
そのモノがあることで、違う別のことを達成したいわけです。
その達成のために、モノ以外に色んな接点を顧客と持ちましょうと。

今、デジタルになることで顧客の色んな行動データが得られ、色んな接点での工夫が可能になります。
顧客にとっては、きめ細かい対応を企業がしてくれるので、嬉しいです。
一方、企業にとっては、まずコンセプトを設定し、そのもとで各部署を連携させなければならない。
よいモノを作るだけではなく、その後のサービスも含めて一体とならなければならない。
ますまず、大変な時代になりますね。

オンライン/オフラインを分けて考えず、一体のジャーニーと捉える

「要約」
ユーザは、そのとき一番便利な方法を選びたい。
オンラインとオフラインといったチャネル概念で分けていないので、それに合わせてジャーニーで考える。
OMO:Online merges with Offlineという言葉で表現する。
本質的にユーザの状況に根差し、ユーザにベネフィットを提供することを前提とした概念。

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「感想」
私は、Eコマースなど、オンラインの方が便利だろう、オンラインに移行することが正しい、みたいに思っていました。
けれど、それはどちらでもよいと。
企業にいると、どうしても方法にこだわって、デジタルを入れなければと思ってしまいます。
そうではなく、デジタルで実現できるという状況は当たり前で、そのうえで、あくまで顧客にとっての価値は何か、から発想すべきとなります。

ユーザの成長シナリオを描き、どの程度高頻度に使ってもらえるか

「要約」
課金やPro版の購入など、ビジネス目標だけを設定するのではない。
ユーザがどんなメリットでそれを欲し、どんな状態変化が起こるのかを考える。
その成長のシナリオは、企業が提供する世界観に沿ったものにする。
その結果、ユーザの利用が長期化し、ビジネス目標への貢献が得られる。

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「感想」
ビジネスとして成立させる以上、ユーザからお金をもらわなければならない。
そうすると、単発の使用ではだめで、どうやって高頻度、長期化ができるか。
そこで、企業の世界観に浸ってもらうことが必要だと。

Appleは、まさに世界観ですよね。
商品、アプリ、店舗、サービスすべてコンセプトが統一されていて、そこに浸っていると楽しい日々が得られます。そんな気分になります。
ジョブズのような天才にしか、描くことはできないのだろうか。

(まとめ)今とこれからのサービスの仕組みを理解できる

この本を購入したきっかけは、私の勤務する会社の方針において、モノからコトへ、サービスへと強く打ち出すようになり、であれば、そのサービスというものを勉強しようと思ったからです。

アフターデジタルの1の方が有名だったことは知っていました。(読んでませんが)
そのとき、この2の方が出版されたので購入しました。
1の方を読んでいなくても、理解できるように書かれています。
私たちの身近なサービスを例に挙げておられ、その背景にはこんな考え方があったのかと、よく分かりました。

これを読んで、自分がビジネスを発想できるかはわからないです。
ですが、現在の世の中の新興サービスの仕組みを理解し、その中で自社の立ち位置を確認するには良い本だと思います。

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