紙とペンさえあれば、発明が生まれ、そして、事業が生まれる

「新規事業を量産する知財戦略」(TechnoProducer株式会社)を読みました。
発明の創出として、ちょっとしたアイデアからどのようにして特許さらにはビジネスモデルに仕上げるか、その方法論が記されています。
その技術の専門家でなくても、方法次第で強い特許を生み出せる、そんな勇気が得られます。

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現代に必要な知財戦略は、未来の事業に関する「土地」をおさえること

「要約」
先に「土地」を買っておく。
その後、色んな人と協力して「事業」という建物を建てる。
その建物に多くの関係者が集い、発展し、土地の価値が上がる。
そんなイメージで、未来についての発明を考え、特許を取得する。

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「感想」
なるほど。
「色んな人」、「多くの関係者」というのが、自社だけではなくオープンイノベーションという意味ですね。
みんなを呼び寄せるくらい、魅力的な土地を見つけましょうということです。

どの技術にお金が流れているかが分かると、先読みのヒントになる

「要約」
技術情報だけを見ていても、技術のトレンドがわからない。
技術が生まれていても、育っていくかどうかわからない。
そこにお金が流れていることがわかると、「この技術は先に進みそうだ、マーケットは伸びそうだ、ではその次はどうなるか」と先読みができる。
国の補助金、アメリカのDARPA、NIHの予算動向を見るとよい。

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「感想」
アメリカの軍事開発から生まれた技術は多いですよね。
インターネットやダヴィンチなど。
あと、その予算規模も日本の比ではないですしね。
やはり、英語文献から情報を収集できるよう、英語に慣れないとダメですね。

他の人がやってそうでやっていない、ギリギリのところを見つけ出す

「要約」
こういうことをやっている人がいるなら、こんな開発をしている人もいるはず。
と、仮説を立てて、先を調べて、具体例や事実を発見する。
これを繰り返すと、あるところで急に情報が見つからなくなる。
すると何をやっても新しい、何を考えても新しいという場所が見つかる。
そこが新規事業としてチャンスがあるところ。

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「感想」
この仮説を立てるためには、やはり世の中の技術のトレンドを知らないといけないなと。
一般論的な技術のトレンドと、今検討している対象技術の領域との組み合わせになるのかなと思います。
その専門領域の技術者は、その領域でのみ深く考えているので、そうでない素人の方がブレイクスルー的なアイデアが浮かびやすいという側面もあるかなと。

(まとめ)発明創出会議の、ブラッシュアップ方法として活用できそう

本書を知ったのは、同じ会社の人で以前に知財塾のセミナに参加し、エッジ情報を使う手法を学んだということを、聞いたためです。
その知財塾の運営者の出版ということで、私も学びたいと思い購入しました。

本書を読んで、エッジ情報の意味合いがよく分かりました。
そうやってアイデアの発想に使えばよいのかと、勉強になりました。

実務において、どこまでこの手法に時間をかけられるのか、難しいところはあります。
ただ、開発者の方々と発明アイデアを考える会議はありますので、その中でこういった観点でアイデアをブラッシュアップしていくというのは、良い方法だと思いました。

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