スタートアップへ知財コンサルするときの進め方と心がけ

IPASを通して見えた知財メンタリングの基礎(IP BASE)を読みました。
研究開発型スタートアップに知財コンサルをするにあたり、どんな順番でどこに気を付ければよいのか、整理されています。
内容は決してスタートアップに限らず、社内の新規事業部門に対しても、とても参考にできるものです。

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小さなことでもよいのでアウトプットを出す

「要約」
スタートアップとの信頼関係を築くために最も重要なことは、初期段階で小さくてもいいのでアウトプット(成果)を出すこと。
全体設計、課題仮説、関連特許一覧、インタビュー調査の企画、顧客候補一覧等。
求められてからではなく、今のスタートアップに必要だと思われることを提案する。

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「感想」
信頼関係を構築する前は、相手からすると何をしてもらえるか分からないと思います。
なので、こちらから率先して、アウトプットしていくことが必要なのだなと。
求められてから、としてしまうと、そもそも相手は何を求めてよいかもわからず、パートナとして心もとないと思います。

ビジネスと連動させてコア技術を再定義する

「要約」
スタートアップが初期に取得した技術や知財は、現在のビジネスを前提に開発や取得したものではない。
よって、必ずしも現在のビジネスに合っているとは限らない。
そのため、現在のビジネスを理解したうえで、コア技術を再定義する。
スタートアップと一緒に新たなコア技術を探索していく。
繰り返し新たなコア技術になりそうな技術要素を提案し、いらなさそうな要素をそぎ落としていく。

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「感想」
あくまでビジネスをもとに考えると。
そのビジネスをする上で、どんな技術が必要なのか、それを自社が持っているんのか、どの部分なのかを特定していくのだと思います。
ややもすると、技術だけを見て世の中にはない斬新なものだからよい、という訳ではないんですね。

業界構造を図示して、プレーヤと自社との交渉力を確認

「要約」
協業先候補に対する自社の交渉力や、協業した場合の顧客への影響力を見極める。
その際は、バリューチェーンを描くことが有効。
同じバリューチェーン上の協業先と、競合他社のバリューチェーン上のプレイヤーを洗い出し、競合優位性を書き込む。
すると、各プレイヤーに対する自社の交渉力が見えてきます。
ホワイトボードに書くなど、視覚的に情報を共有することも有効。

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「感想」
関係するプレーヤを洗い出すのに、バリューチェーンはよく使いますね。
バリュー=価値の流れなので、どこの価値に自社は影響できるのか、あるいは、どんな協業先が重要になるのか、が見えてきます。

競合他社のバリューチェーンも書くというのは参考になりました。
自社他社で比較して、どこで優位性を発揮できるのかが見れると思います。

(まとめ)スタートアップへの知財対応は新規事業のそれと似ている

企業知財部の仕事をしていますが、新規の事業を担当することが多いです。
すると、その場合の対応は、スタートアップ企業への対応と似てくると思いました。
その新規事業はどんなビジネスで、どんな価値を提供して、ではどの技術がコアになるのか。
上記以外にもコミュニケーションの観点もあり、ビジネスマンのふるまいとしてもとても参考になりました。

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