モノからコトへの転換。コトで特許がとれるのか。

Apricot.M (企業内弁理士)です。
昨今、事業の形態が、モノからコトへ転換していっています。
その中で、我々知財部はどんな特許を考えていけばよいのかを調べました。
参考にしたのは、特許庁の「ビジネス関連発明の最近の動向について」です。

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ビジネス関連発明とは、ビジネス方法がICTを利用し実現された発明

「要約」
特許制度は、技術の保護を通じて産業の発達に寄与することを目的としている。
したがって、販売管理や、生産管理に関する画期的なアイデアを思いついたとしても、アイデアそのものは特許の保護対象にならない。
一方、そうしたアイデアがICTを利用して実現された発明は、ビジネス関連発明として特許の保護対象となる。
IPC又はFIとして、G06Qが付与された特許出願をビジネス関連発明とする。

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「感想」
事業の企画部門と話をしていて、ビジネスの内容を聞いても、どこに技術があるんだろう、どこで特許が考えられるんだろうと悩むことがあります。
マネタイズの仕組みはあたらしいけど、それは技術の話ではないしな、と。
上記より、やはり販売管理などが画期的でも、やはり特許にはならないですね。
ICTを絡ませて、データを利用したり、そこからサービスを生んだりが、必要だとわかりました。

「サービス業一般」にカーシェアリングや民泊ビジネスが含まれる

「要約」
2017年に出願されたビジネス関連発明のうち上位を占めるのは、以下の3分野。
(1)サービス業一般(宿泊業、飲食業、不動産業、運輸業、通信業等)
(2)EC・マーケティング(電子商取引、オークション、マーケット予測、オンライン広告等)
(3)管理・経営(社内業務システム、生産管理、在庫管理、プロジェクト管理、人員配置等)

「サービス業一般」には、近年流行しているカーシェアリングサービスや民泊ビジネス等が含まれ、スマホやオンライン上で提供されるサービスの多様化を反映。
「EC・マーケティング」は、フリマアプリやネットオークションを含む電子商取引の隆盛と、それに伴うマーケティングや広告ビジネスの活発化が要因。
上位3分野に続いて、規模が大きくかつ近年出願件数が増加している分野は、「金融」(フィンテックを含む)と「ヘルスケア」。

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「感想」
上記に挙げられたサービスを見ると、確かにICTを駆使しているなと思います。
カーシェアリングでは、スマホで決済したり、運転している車の状態のデータを吸い上げたり。
メルカリも、売りたい本のバーコードをスマホで読み取ったら、自動で本のタイトルが出てきますし。
それらは、一昔前は人がしていましたが、ICTにより格段に便利なったなと、それによって普及したんだなと思います。

ビジネス関連発明はAIと親和性が高い

「要約」
ビジネス関連発明はAI(特に、データの学習に基づいて判断を下す機械学習技術)と親和性が高く、AIを活用してビジネス上の課題解決を図るケースが増加。
ビジネス関連発明の上位5分野におけるAI関連発明の出願件数をみると、いずれの分野においても、2015年以降、AI関連発明が増加。
特にAIの適用が目立つ分野は「管理・経営」と「ヘルスケア」であり、対象の予測、最適化、診断、検知等をAIによって実現する発明が増加。

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「感想」
ヘルスケアでAIを用いた特許としては、FINCという会社のアプリが思いつきます。
私もちょっと使っていましたが、ふとしたタイミングでコメントが送られてきて、食事などアドバイスをもらえます。
それはAIを使って、どんな人にはどんなタイミングで何を伝える、というのを判断していたのだろうと思います。
そのために、適宜、行動などのデータを吸い上げていたのだろうと。

(まとめ) 普段何気なく使っているサービスもどこかでICT、AI、IoT があり

私の勤めている会社も、コトづくり重視に切り替わろうとしています。
そこに知財部も合わせていかなければいけません。

世の中を見渡すと、普段何気なく使っているサービスもどこかでICT,AI,IoTを使っていると思います。
これだけスマホや情報端末が普及し、それがセンサでありネットワークに簡単につながります。
その技術を、ビジネスにどう組み込むか、それが発明になるポイントだと思います。

ビジネスを考える段階から知財部も一緒に入り込み、どこの技術で優位性を出せるか考えていくのがよいと思います。

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