スタートアップ企業のIPランドスケープ。知財の役割は幅広い。

知財実務オンラインのYouTube動画 (第40回)「スタートアップのIPランドスケープ 知財だからできる!経営層と現場のギャップの埋め方」を見させていただきました。
AIPEシニア知財アナリストの原田さんが、自身の体験に基づいて、IPランドスケープを実施する上での様々なノウハウを紹介されています。
私にとって、とても勉強になった箇所を紹介します。

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知財部門の役割 Gapの埋め方、Base作り

大企業とスタートアップの違い
・スタートアップが重視:
 社外からの評価を高める。直接的な収益の確保。従業員の意欲を高める。
・大企業の方が重視:
 新規事業を生み出す。事業競争力を高める。

ステージごとの知財戦略
シード:コア技術をカバー
シリーズA:自社独自技術の棚卸、保護
シリーズB:ポートフォリオの構築、クリアランス
シリーズC:競合企業に対抗するカウンター特許

経営に資する知財

「要約」
ビジョンが実現できることを知財で証明する
・ビジョン、目指す未来:積極的に出願。不確実性は大だが、自社のビジョンを外に示すため
・未来を達成する技術要素:目指す未来を実現するために、従来にはない技術を考える

他社に負けない知財を獲得する
・解析事例を紹介して、IPランドスケープの目的を明確化
・どう伝えるかストーリ、ロジックが大事。例えば差別化なら、ランチェスターの法則を参考に。

IPランドスケープで感じていること

「要約」
必要な視点はどうやって儲けるか、ビジネスモデル。経営層は常にここを考えている。
進むべき道・方針の共有化。
自分事として考える、動く。誰かがやってくれるでは、進まない。

(感想)知財人材の仕事への姿勢として勉強になった

スタートアップ特有の事業として、お金がなく社外から集めないといけない、と言うのがあると思います。
そのために、知財戦略もそれに紐づいた内容になるというのがよく分かりました。
例えば、出願内容自体がまずは、自社のビジョンを示すものだと。細かい技術内容の前に。
VCにとっては、スタートアップが何をしているのか調べる手段の大きな要素が特許だと思います。
その特許で、ビジョンを示す内容とし外部に分からせるというのは、うまい方法だと思いました。

あと、自分事として考える、というのが印象的でした。
私は知財のところを担当しています、のではなく、その会社を動かす一員なのだという気持ちでされているということが、伝わってきました。
そこが、ビジネスモデルの視点であったり、方針の共有化にも表れていると思います。

企業知財部においても、知財戦略が企業戦略に食い込む様にするには、このような気持でないといけないと思いました。

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