アブダクション(仮説思考)は、帰納法と演繹法との合わせ技で、力を発揮

『問題解決力を高める「推論」の技術』(フォレスト出版)では、推論力として、帰納法、演繹法、アブダクションの思考法を説明しています。
一昨日の記事では帰納法を紹介し、昨日の記事では演繹法を紹介しました。
今回は最後のアブダクションについて紹介します。

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アブダクション:起こった現象に法則を当てはめ、現象を説明できる仮説を導く推論法

「要約」
・起こった現象:売り上げが落ちた
・法則のあてはめ:買う人が減れば⇒売上は落ちる
・導かれる仮説:売り上げが落ちたのは、買う人が減ったからに違いない

・・・・・
「感想」
これは基本であり、分かりやすいです。
もちろん、仮説は複数存在する場合もあり、それぞれの仮説のどれが正しいのかは検証する必要があります。
当てはめる法則は、どこかから降ってくるものではないですね。
自分の頭で考える必要があります。

アブダクションで仮説を考え、演繹法で検証すれば、再現性の高い法則を手に入れられる

「要約」
・起こった現象:ユーチューバーが人気
・法則のあてはめ:それは、組織に縛られない生き方だからではないか
・導かれる仮説: 組織に縛られない生き方は、人気を呼ぶ

これを演繹法で検証する
・前提ルール: 組織に縛られない生き方は、人気を呼ぶ
・当てはめる物事:起業は、組織に縛られない生き方
・結論:よって、起業は人気を呼ぶ

・・・・・
「感想」
演繹法で導かれた結論が、世の中の常識と一致するのであれば、前提ルールも正しいとなります。
よって、アブダクションで導いた仮説も正しいと検証できたことになります。
普段何か仮説を考えてそれが正しいかを検証する際、その仮説はどんな事例にも当てはまるのか?と考えていると思います。
それは実は演繹法だったのだと、分かりました。

アブダクション、帰納法、演繹法の合わせ技で、自分の成長を加速

「要約」
なぜ、SDGsなど社会価値重視の機運が高まったのか。

納法で、複数事例から背景にある法則をさがす。
・事実①:食の世界では、食育の機運が生まれている
・事実②:ビジネスの世界では、人間中心設計
・事実③:ツイッターの世界では起業
・共通点の発見:作用が反作用を生み出す

アブダクションによる推論
・起こった現象:なぜ、社会価値重視の機運が高まるのか
・法則のあてはめ:作用が反作用を生み出す
・導かれる仮説: 社会価値重視の機運が高まるのは、何らかの機運の反作用

演繹法で未来を予測
・前提ルール:作用が反作用を生み出す
・当てはめる物事:女性は美しくあろうとする
・結論:美しさに縛られない、価値観が生まれるはず
一度法則を手に入れられれば、様々な分野に演繹法で当てはめて考えることで、原因に対する仮説、未来に対する仮説を生み出せる

・・・・・
「感想」
3つ推論法を合わせると、きれいな流れになりますね。
最初はSDGsについての疑問を抱くことから始まり、法則を得て、まったく違う分野で未来を予測する、と。
なかなかやろうと思っても、これほどきれいに行くことは難しいかなと思いました。
疑問を抱くこと、何か法則があるのではと考えること、そしてその法則を新しいことに適用できないかと考えること。
まずは、最初の疑問を抱くことから、取り組むべきかなと思います。

(まとめ)推論の方法論の実践により、仕事の質が高まることは確実

アブダクションは最近よく聞きますね。
仮説思考と合わせて、その仮説を設定するのに必要な推論方法だと。

本書を読んで、アブダクションによる仮説の設定をどうすればよいか、方法が分かったことが良かったです。
帰納法により、複数事実から共通点の発見が必要だと。
もちろん、実際に共通点が発見できるかどうかは、そのケースに寄るのですが。

これら、3つの推論法の方法が分かれば、その手順に沿って実際の業務に適用していけます。
適用することで、必ずしも新しい法則が見つかると言えませんが、どこまでどのように考えたかを自分で整理することができます。
その整理したものを周囲と議論してもよいですし、結果、これまでとは業務の質は高まることは確かだと思います。

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