帰納法の本当の使い方。自分だけの法則を見つけ出し武器にする

『問題解決力を高める「推論」の技術』(フォレスト出版)を読みました。
推論力として、帰納法、演繹法、アブダクションとすべての思考法を丁寧に説明しています。
実際のビジネスの場面で生かし方まで具体的に書かれています。
今回は、そのうち帰納法について紹介します。

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帰納法:複数の事実から共通点を発見して結論を導き出す推論法

「要約」
・複数の事実
 代理店Aのaさんはまじめな性格
 代理店Aのbさんはまじめな性格
 代理店Aのcさんはまじめな性格
・共通点の発見
 代理店Aの社員はまじめな性格
・結論
 代理店Aはまじめな社風

・・・・・
「感想」
これはとても分かりやすいですね。
a,b,cさんに共通するということは、そこにいる人全体に共通することだろうと。
そうすると、人のみならず社風としてそうなんだろうと、いえると。
推論として納得感が得られます。

共通点がなさそうに見えても、推論を働かせば、法則を得られる

「要約」
・複数の事実
 水は飲めるものである
 水は洗えるものである
 水は火を消せるものである
・共通点の発見
 モノ(水)を抽象化して、コトとして捉えなおしたこと
・結論
 モノからコトを抜き出すと、その実態が持つ複数の価値を発見できる

これができれば、たとえばスマホは、ただの四角い箱ではなく、電話ができる、メールができるなど複数の価値を見出すことができる。
この法則を教訓とすることで、コトから価値を生み出す頭の使い方をマスターできる。

・・・・・
「感想」
これはちょっと難しくなりましたね。
事実をそのまま読んでも、共通点は見つかりません。
頭をひねって、発想しないと見つからないです。

そして、得られた法則はそれだけでは終わらないんですね。
その法則が成立するということは、他にも適用できるはずだと。
他にも適用することで、その法則が自分にストックされて、賢くなるということだと思います。

洞察的帰納法:複数の事実から共通する概念を抜き出す

「要約」
目に見えない共通点を発見する方法。
抽象化して多面的な視点でとらえる。
・事実
 お金は使うほど減る
 工場は使うほど老朽化する
 原材料は使うほど数が減る
・共通点の発見
 これらはどれも企業の有形資産である
・結論
 企業の有形資産は使うほど価値が減る

では、無形資産では何が言えるか
・事実
 ノウハウは使うほど組織に定着する
 特許は用途が広いほど価値が増える
 リーダシップは使うほどスキルが高まる
・共通点の発見
 これらはどれも企業の無形資産である
・結論
 企業の無形資産は使うほど価値が増える

洞察的帰納法を駆使して、企業の有形資産は使うほど価値が減るが、無形資産は使うほど価値が増えるという法則を手に入れたことになる。

・・・・
「感想」
この例では、最初の事実である、お金、工場、原材料から、どれも会社の有形資産だと気付かないといけないんですね。
それが抽象化であり概念だと。
それに気づいたら、次にじゃあ無形資産ではどうなのか、と考えていけると思います。

そこに気付けるには、日ごろからいろんな知識のストックが必要ですね。
とはいっても有形資産、無形資産というのは、会社の財務についての基本知識なので、ビジネスの基礎知識はまんべんなく習得しましょうと言うことだと思います。

(まとめ) 帰納法について奥の深さがわかる

本書を読もうと思ったのは、思考力を高めようと思ったためです。
帰納法など知っているつもりでしたが、まとめて勉強したことがなかったので読んでみようと思いました。

本書は、帰納法、演繹法、アブダクションとすべての思考法を丁寧に説明しています。
基本的なところだけではなく、応用編としてどうビジネスで生かすことができるかまで広く書かれています。

今回の記事は、そのうちの帰納法のみとなりました。
それだけでも、とても奥の深いことだと分かってもらえたと思います。

また次回は、演繹法について紹介したいと思います。

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