「事業を創る人」の大研究(クロスメディア・パブリッシング(インプレス))を読みました。
社内の事業企画部の担当者が、自分のアイデアを事業にしていくために、どのような葛藤や敵を乗り越えていかなければならないかを、まとめています。
チームを組んで、苦しみを分けながら活動することが大事だと分かります。
新規事業を君に任せた、と言った時点でゲームオーバー
「要約」
新規事業を任せるとは、権限を付与し、新規事業を作るプロセスを伴奏しながら支援し、結果に対する責任を共有すること。
経営層や上司がすべきことは、重箱の隅をつつくような指摘をすることではない。
一緒に議論し考え抜いて、事業構想を一歩進める助言や提案をすること。
権限を与えず、責任だけ負わせるのはもってのほか。
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「感想」
現場の担当者が、一生懸命考えて会議に持って行っても、色んな管理職からやたら指摘されてやる気を失う、というのはよくあります。
その管理職は、決して悪気はなくて、本当に何か少しでも助言しようとして言っている場合もあります。
でも、担当者は突き放された気分になってしまうんですよね。
どれだけ、信頼関係が築けているのかが、大事だと思います。
組織の中で他社を巻き込む力が、新規事業の成功のカギ
「要約」
いかにアイデアが生まれても、新規事業推進のためのサポートを周囲から借りなければ成功しない。
組織の中で協力を得て、製品・サービスを市場に届ける政治的プロセスも含めて新規事業。
アイデアや構想よりもむしろ、組織の中でうまく物事をすすめるための他社を巻き込む力が、新規事業の成功を左右する真の鍵といえる。
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「感想」
これは、おそらく、自分のアイデアについて、どれだけ周囲の人から共感を得られるかだと思います。
理解してもらう、納得してもらう、ではなく、共感してもらえるからこそ、周りも一緒にしたいと思ってもらえるかなと。
それだけ、自分のアイデアによって、社会に価値を与えるくらいの、高い志でないといけないと思います。
新規事業は、人と事業を育てる育成事業である
「要約」
支える人と育てる組織による育成支援が実施されることで、新規事業にたいする肯定的な組織風土を醸成できる。
そうした組織の勢いが、結果的にイノベーションを生み出し続ける企業への進化する。
人材という観点からみれば、新規事業が成果を残せずに撤退したとしても、その経験を糧に会社の未来を担う経営人材が育てば、新規事業は成功だといる。
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「感想」
新規事業を作る活動では、たくさんのアイデアが途中でつぶれていくわけです。
それにもかかわらず、組織として新規事業を生み出す活動が続くには、風土が必要だと思います。
そして、その過程においては、新規事業そのものへの考え方もそうですし、他にも組織の中でどう動き回れるかという力も身に着くと思います。
それを経験した人こそ、経営人材に育つのだと思います。
(まとめ)新規事業を作ることの苦しみを、自分ゴト化する
業務をする中で、新規事業を考える人と同じチームを組み、新規事業のアイデアを生み出す活動をしていました。
特許情報の分析だけではなく、社会トレンドなど各種情報の調査分析が必要となりました。
そのとき、そもそも新規事業を考えるとはどんな活動なのか、どんな考えて取り組むのかを知りたく、本書を読みました。
読んでみて、新規事業を考える人は、大変孤独だということが分かりました。
色んな人に有難迷惑なアドバイスを受けたり、そのなかで自分を信じて進まなければなりません。
そこで、私にできることは、その人の考えを理解し自分ゴト化することだと分かりました。
自分ならどう考えるかを想像し、よりよいアイデアに結びつくような各種情報の調査分析が、私にできることだと思いました。
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