商品開発をしていたころ、先行企業の特許が存在しましたが、それを回避することで無事販売できたことがありました。
ただし、その中で、特許検索式におけるキーワード選定の恐ろしさを実感した出来事がありました。
可能な範囲で、その経緯を詳しく紹介します。
新しく商品を開発をするため、最初に他社の特許を洗い出し
私がまだ商品開発部にいたとき、新しく商品を設計する機会がありました。
その商品は、他社の商品が先行して販売されていましたので、開発着手前にまず他社特許を洗い出しました。
その際、検索式はどのようにすればよいかは、知財部の方と相談してキーワードなどを決めていきました。
その結果、100件ほどの他社特許がリストアップされました。
特許内容を読み、侵害しないように商品設計を実施
その100件ほどの特許の明細書を、私は、頑張って読み切りました。
明細書独特の読みにくい文章でしたが、なんとか内容を理解しました。
うち、侵害しそうだと思ったものは、知財部と細かく内容を読み込んでいきました。
そして、商品の設計では、その特許をうまく回避する方法を考え、知財部の方にその方法なら回避しているとのお墨付きをもらいました。
知財部に異動した後、侵害していそうな他社特許を発見
数年したのち、私は知財部に異動となりました。
ふとした時に、その他社の特許をもう一度調べることがありました。
すると、商品開発したときには見たことのなかった特許が見つかりました。
内容をよく見ると、自社商品が侵害しているともいえるものでした。
開発時、自信をもって回避できたと考えていた私は何だったのかと、焦りました。
弁理士に鑑定を依頼し、侵害していないことを確認
外部の特許事務所の弁理士に鑑定を依頼し、自社商品と他社特許の構成をじっくり見てもらいました。
その結果、かろうじて技術的な要素に違いがあり、侵害はしていないとの見解をいただくことができました。
私は、ほっと胸をなでおろしました。
原因:最初の特許調査時に、検索式のキーワードがいまいちだった
原因をたどっていたところ、最初に立てた検索式において、使ったキーワードがいまいちでした。
そのキーワードの他にも類語が存在したにもかかわらず、それを用いていませんでした。
キーワードをどれを用いるか次第で、自社商品が他社特許を侵害することになったのかと、その怖さを思い知りました。
もし侵害となったら、「いつ他社にばれてしまうのか、早く設計変更をしたもらわないと」と不安でいっぱいでした。
このときは、大事に至りませんでしたが、検索式の立てる際の重大さを思い知った出来事でした。
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