商品開発は、不具合の可能性はなくせないが、英知を結集することで阻止できる

開発現場でまだ若手だったころ、設計内容でやらかしたことがありました。
上司の助けで、不具合になる直前のところで止めることができました。
何をどのように対応したのか、紹介します。

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ケーブル断線の恐れがある設計。組立調整すれば大丈夫、と信じる。

ある機械部品において、電線ケーブルを通す箇所の設計をしていました。
設計内容の構想を先輩社員Aさんが考え、それをもとに私が詳細な図面に落とし込むという手順でした。

しかし、図面をよく見てみると、その個所はとてもケーブルが通せるような隙間はありませんでした。
そのことを先輩社員Aさんに伝えると、「図面上はそうかもしれないけど、組み立てるときに、取り付けを調整すれば大丈夫だから」とのことでした。
そういうものなのかなと思い、設計を進めました。

あり得ない設計だ、必ず不具合が出る。と指摘される。

そのまま設計を進め、図面を生産部に渡しました。
そのあと開発としては、そのケーブルを取り付ける手順書を作成しました。
しかし、手順書を開発部内でレビューしてもらうと、上司Bさんより指摘がありました。

上司B「この箇所はかなり狭い場所だけど、隙間は何ミリあるの?」
私 「**ミリです。ですが組み立てで調整できるので大丈夫です」
上司B「えっ?。ありえないでしょ。調整で完全にカバーできないし、もし調整がずれたら、一発で不具合だよ

元の設計をした先輩社員Aさんとも話しましたが、やはり、この設計はまずいということになりました。

部品の納入後、取付前のタイミングをついて、急遽部品加工を実施

設計がまずいとはいえ、すでに部品の量産は始まっています。
では、どうしたかというと、その部品がメーカから納入された後、自社工場で組み立て工程に進む前に、急遽部品を加工するということでした。

本来なら、図面を生産部を渡したら、それが組み立てられて出荷するしかありません。
この時は、特別な事情ということでイレギュラーな対応していただくことになりました。
まさに、ぎりぎりのタイミングで、部品を修正し、正常な取り付けをすることができました。

対応方法はどこかにあるはず。あきらめない。

以下、この経験から学んだことです。

・自分が腑に落ちないことは、放っておかない
人の言葉を聞き、私はなんとなくで鵜呑みにしました。
本来なら、なぜそれでよいのかを自分で説明できるように、考えたり別の人に聞いたりして、理解すべきでした。

・設計上の理論値より、実測値はより厳しくなる
設計値で余裕をもってこそ、実測でちょうどよい値になります。よって、設計上は、余裕を確保しなければいけません。
設計上はNGでも、実測値ならOKなんてことはあり得ません。

・土壇場での対応力を学んだ
私は、このまま不具合が出てしまう、とあきらめていました。
しかし、上司のアイデアで、まだ出荷していないであれば対応方法があるだろうということで、土壇場で何とか対応できました。

「まとめ」
モノづくりをしていて、不具合を全く出さないことは難しいと思います。
ですが、極力ゼロに近づけるという取り組みにおいて、できることは多いと思います。

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