商品開発で、顧客に無理に良いところを見せようと意気込むな

開発業務をする中で、お客さんと新商品の仕様打ち合わせを経て、実際に出荷され、そこで不具合が生じたことがありました。
その際の、私の失敗経験からの得た教訓をお伝えしようと思います。

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ポイント

お客さんへサンプル品を見せて仕様を整合する場合であっても、普段の開発工程と同様に、以下を実施すること、

  • 自分自身の目でサンプル品を確認し、納得すること
  • サンプル品が、社内の量産工程に合致したものであるかを確認すること

例え、サンプル品の入手から打ち合わせまでに時間がなかったとしても、あせらずに実施しなければいけません。もし、これができないなら、お客さんに見せるべきではありません。

経緯

お客さんとの仕様整合の打ち合わせは、1,2週間の間隔で行われていました。
そのタイミングでサンプル品が出来上がったものから、順次見せていくというものでした。

そのサンプル品は、打ち合わせ当日の午前中に届き、急いで打ち合わせの場に持っていくということをしたのです。
それは、私の中で、お客さんの前で良いところを見せたい、もうサンプル品が出来上がったのかと脅かせたいという、気持ちから来たものでした。

実際、打ち合わせの場でお客さんから、「え、もう出来たの」という言葉をもらえて嬉しかったのを覚えています。
しかし、その場で私がそのサンプル品を見せながら感じたのは、ちょっと想定のものと表面の色味が違うな、ということでした。

結果

そのサンプル品と同仕様のものが実際出荷され少し経ったとき、お客さんから「部品が想定と違う、直ちに交換するように」と言われました。
その日は休日でしたがすぐにお客さんのもとに駆けつけ、別のものと交換をしたのです。

後でよくよく調べてみると、その現物は正規の量産工程とは異なる状況で製造したものである、とのことです。私が、サンプル品の段階で想定のものと色味が違うと感じたのは、正しかったのです。

感想

開発業務をしていると自社内で作業することが多く、外部のお客さんと直接話すことは少ないです。
そういった状況でお客さんとの打ち合わせがあると、張り切ってしまい、良いところを見せたい、さすが開発者と思われたい、という気持ちが出てきてしまいます。

すると、素直な感覚からすると「難しそう」な場合であっても、ついつい「できます」と言ってしまいがちです。それが結果的に問題に発展するのです。
そうならないよう、平常心で取り組むこと、いつもの段取りを守って進めること、が大事になります。

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