論点思考 内田和成の思考(東洋経済新報社)を読みました。
同著の仮説思考と組み合わせることで、仕事に取り組むときの思考を今までよりも整理でき、より短時間で手戻りなく進められていることを、実感しています。いくつかポイントを紹介します。
論点とアプローチが、いかに相手を「わくわく、どきどき」させるか
「要約」
これは、クライアントにとって魅力的な提案であるという意味。
「もしかすると解決策が出てくるかもしれない」と思ってもらえること。
その基本にあるのは、正しい論点の設定であり、ユニークな打ち手であること。
「こんな方法があったのか」と、クライアントの気持ちが動く。
そして、実行されやすく、成功につながりやすく、共感を呼びやすいものとなる。
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「感想」
提案を持っていくとなると、相手の想定を超えるものではければいけないかなと。
これがもし、検証するというレベルであれば、正しい/正しくないの結論で良いのだが。
結局はクライアント次第であり、その相手のことをどこまでしっかり把握できるかカギになると思います。相手が見ているものを、自分も見れるか、といったことかなと。
二つ上の立場で考えることで、今抱えている論点がより明確に
「要約」
一つだけ上の立場では、自分自身のことと関連付けて物事を見てしまう。
これが、二つ上であれば、自分の立場を離れて考えることができる。
抱えている課題の性質や、本質すなわち大論点が見えてくる。
さらに、自分の将来像が描きやすいこともあげられる。
二つ上くらいのポジションを想定して、自分に足りないスキルや経験、あるいは、自分ならどんな風に仕事をやれそうかを、考える。
これにより、自分のやるべきことが明確になる。時間の使い方、読む本、会う人が変わる。
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「感想」
二つ上の立場で考えろ、というのはよく聞きますね。
ただ、これだけの意味があるとは知りませんでした。
今こういう発言をされたけど、それはどんな背景から来たのか、自分だったらどうしたか、などを考えることをイメージしました。
仮に、その結果、自分のなりたいものと違うのであれば、じゃあ何になりたいかを考えるきっかけになるかなと、思いました。
問題意識を持って聞くと、相手の言葉が自分のアンテナに引っかかる
「要約」
話を聞くコンサルはクライアントから、スムーズに仕事が進む、と評価される。
意見が食い違ったときことチャンス。
対立において守りに行かないで、食い違っていることをオープンにして話を聞くことで、論点がクリアになる。
引っかかった言葉から決定的な質問ができるし、ヒントを得ることもある。
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「感想」
実際、意見が食い違うと、どうしようかと焦り、なんとか収束させようとしてしまいます。
そうではなく、むしろ、どこでどう対立しているのかをはっきりさせなければいけない、と。
クライアントも決して対立したいわけではなく、自分の中にモヤモヤがあって、意見を言ってくれていると思います。
そこを親身になって掘り下げれば、結果、信頼を得られるのではと思います。
(まとめ)仕事において、手戻りとなる時間が減ったことを実感
本書を購入したきっかけは、以前に同著の仮説思考を読んでおり大変勉強になったこと、そしてこの本もセットで読むことで、より思考が整理されるのではと期待したからです。
本書の中で、論点を設定するときには仮説思考を用いる、とあり、二つの思考が補完関係にあるのだと思います。
この2冊を読んでからは、実際に何か仕事に取り掛かるときには、まず論点はどこかをいったん仮説で設定して、それをどうアプローチするかを考えるようにしています。
それにより、仕事において無駄だと感じる時間、手戻りとなる時間は減ったことを、実感しています。
ただし、そのとき最初から筋の良い仮説、論点であったか、でいうとまだまだ途上です。
仮説思考の本にもありましたが、こういった思考を繰り返し実践する中で、もっと短い時間で本質にたどり着けるようになるのではと思っています。
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