地方開業だからこそ得られる、弁理士の楽しさがある

弁理士会の発行する月刊誌パテント(2021年1月号)に、地方で活躍する弁理士の特集がありました。
都会の事務所弁理士、あるいは、企業内弁理士ではでは体験できない様子が描かれています。
心に残った箇所を紹介します。

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近くにいて頼りになる、かかりつけの医者のようなもの

クライアントは、そもそも何が発明になるのかをよく知らない。
そして、出願しても意味がない時は、出願しないように勧める。それがクライアントの利益になるから。
こういった地方での地道な営業活動によって、地方で頑張っている弁理士、地元をよく知っている弁理士という、親近感、信頼感が生まれる。

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地方で仕事をするとクライアントが少ないわけです。
その中で、出願しないように言うというのは、なかなかできないかなと。
本当に顧客第一だから信頼されるのだと、思いました。

「事業が順調だ」と言われた時の笑顔が、今も忘れられない

地域団地商標を手がけて、地域の活性化に影響を与える支援をおこなった。
制度とその活用について関係者に説明し、地域の課題、関係者の意見を直接聞きながら、登録に向けた支援を行った。
県内イベントで当時の担当者と偶然会った時に、「登録してよかった。事業が順調だ」と言ってくださったときの笑顔が、今も忘れられない。

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弁理士が、地方の活性化に貢献できることがよく分かりました。
田舎の中小企業のおっちゃんに、商標登録で感謝されるなんて、最高だろうなと思います。

効率は悪いが、弁理士としての面白さ、楽しさが確かにここにある

以前、東京に事務所を構え、忙殺されていたときに、幸せと思ったことは一度もなかった。
弁理士になって良かったと思ったことは、一度もなかった。

今朝、目を覚ますと、宅急便で卵が届いた。それは高機能高価格の卵で特許出願を行ったものであり、養鶏業者が半月ごとに無料で届けれくれる。
1つ1つの案件が、クライアントの痒い所に手を届かせて処理を進めるスタイルとなる。
1品制作の手作り特許となる。

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一つの案件について、弁理士として思い入れが強くなり、それがクライアントとの関係性にも効いてくるのだと思いました。
弁理士って、やはり職人的な仕事だなと。自分の納得できないものを、ただ大量にこなしてはいけないのだなと思いました。

(感想)地方で弁理士を開業するのもよいかも

この特集を読んで、地方開業の弁理士は、
・経済的には楽ではないこと、知財に関するすべての業務をしなければいけないこと
・一方で、弁理士としての楽しさを味わえること、平和的で人間らしい生活ができること
が、よくわかりました。

地方で弁理士をするのも良いな、と思います。
ただ自分ができるかどうかを考えると、企業内弁理士では、ある領域の仕事の専門になりがちです。
業務のローテーションをうまくして、知財全体のスキルを習得したいなと思います。

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