世界で一番やさしい会議の教科書(日経BP)を読みました。
会議のファシリテータとして、会議の進め方のコツのみならず、考え方の整理としても役立つところがありました。そのポイントを紹介します。
事前準備は、4つのPの視点で入念にシミュレーションする
会議の準備には、次の4つのPを揃える必要があります。
①Purpose 終了条件:どうなったら会議終了と言えるのか
②People 参加者:終了条件を満たすために必要な参加者は誰か。参加者は何を知っている/知っていないか。参加者が抱く疑問はなにか。
③Process 進め方:議題、議論の進め方、時間配分
④Property 準備物
これらを揃えようと思ったら、会議全体を詳細にシミュレーションする必要があります。
実際、準備に半日も要することもあります。
しかし、この準備をせずに会議を開くと、議論の収集がつかなくなります。
すると、参加者人数×会議時間 が無駄ということになります。
事前準備をすることで会議が円滑に進み、全員にとって充実した時間となります。
課題解決の思考は5階層で順番に行う。(何にでも適用可能)
課題解決をする会議では、この5階層での整理が必要です。
①事象 何が起こっているのか
②問題 具体的にどう困るのか
③原因 なぜそれが発生するのか
④施策 どんな解決策があるのか
⑤効果 どの施策が効果が大きいのか
よく、議論がゴチャっとしてしまうのは、この階層の認識が参加者内でずれているからです。
この思考は、議論する場面だけではなく、一人で何かの問題について思考整理するときにも有効です。
反対意見が出てきても焦らない。ひとつづつ論点の整理をする。
議論において反対意見が出たら、論点を整理して、参加者に問いかける。
議論がまとまりかけたところで、反対意見が出ると、どうしようと焦ってしまいがちです。
その時は落ち着いて、その意見をスクライブして議題に置きます。
そしてその意見について、参加者にどう思うかを投げかけます。
それにより、参加者どうしで意見を述べて、議論を進めることができます。
決してファシリテータが何もかもを決めるわけではなく、あくまで会議の黒子として働きます。
(感想)もっと早くに学びたかった。今までのモヤモヤがすっきり。
私は、会社に入ってずっと、会議というものをうまくとらえられずにいました。
例えば、参加者であったときは、ただ振られた質問に対して答えていました。
また、ファシリテーションの役になったときは、なんとなくみんなの話が進めばいいやと、思って当たり障りのないコメントをしていました。
こんなので良いのかどうか、ずっと疑問に思っていました。
その中で、この本を読むことでそういったモヤモヤがすっきりしました。
今までうまく行かなかった会議を思い出して、この点がダメだったのかと分かりました。
読んで以降は、ファシリテーションをする会議では、上記の準備をすることでうまく議論を運べることができるようになりました。また、参加者であっても、会議進行を俯瞰して見ることができ、議論が進む行動をとることができます。
「まとめ」
会議のファシリテータ/参加者の、どちらの立場の人にとっても大変勉強になる内容です。
人事研修で必須の科目にしてもよいのでは、と思うような良い本です。
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